写真集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
建造物を主題とした写真集

写真集(しゃしんしゅう)とは、数十から数百の写真を、あるコンセプトによって編集したもの。印刷物である場合が多いが、印画紙そのもので構成されたもの、CD-ROMなどのデジタル媒体の場合もある。

対象となる被写体は、人物、動植物、建築物、鉱物、天体等、さまざまである。テーマも、報道、スポーツ、ヌード、風景等、多岐にわたる。

撮影の対象を重視する場合と、撮影者を重視する場合の、大きく2つに分ける考え方もある[要出典]。前者は、例えば、アイドル写真集(タレント写真集)、猫や犬などの動物の写真集や一部の報道写真集(「20世紀を写す」といった類のもの)であり、後者は、例えば、アンリ・カルティエ=ブレッソンアンドレ・ケルテスなどの写真家の写真集である。

歴史[編集]

世界最古とされる写真集『自然の鉛筆』

写真集をどのように定義するかによってその起源はまちまちであるが、「複数の写真をまとめた複製可能なもの」の始まりとしてはタルボットによって1841年作られた「自然の鉛筆」が挙げられる。タルボットの発明したカロタイプはそれまで一般的であったダゲレオタイプに対して、ネガ-ポジ法によって複製を作ることが可能であった。そこで彼はカロタイプの技術を広めるために、写真集という形で発表することにした。(この「自然の鉛筆」の一冊が東京都写真美術館に収蔵されている)

年表[編集]

写真史を見る上で重要な、写真集にまつわる出来事を挙げる。

写真集を多く刊行している主要な出版社[編集]

参考文献[編集]

  • 「写真集をよむ ベスト338完全ガイド」ISBN 4839820104
  • 「写真集をよむ〈2〉 ベスト338完全ガイド」 ISBN 4839820244
  • 日本写真集史1956-1986(金子隆一、アイヴァン・ヴァルタニアン、赤々舎、劉敏史/表紙撮影)
    • 取り上げられている写真集
    • 濱谷浩・雪国
    • 谷川俊太郎・絵本
    • 石元泰博・ある日ある所
    • グラフィック集団・無題
    • 細江英公・おとこと女
    • 土門拳・筑豊のこどもたち
    • 小島一郎・津軽
    • 緑川洋一・瀬戸内海
    • 吉岡康弘・吉岡康弘作品集
    • 野島康三・野島康三遺作集
    • 桑原史成・水俣病
    • 川田喜久治・地図
    • 東松照明・日本
    • 篠山紀信・篠山紀信と28人の女たち/Nude
    • 荒木経惟・センチメンタルな旅/沖縄 荒木経惟写真集2 続センチメンタルな旅/東京 荒木経惟写真集3
    • 森山大道・にっぽん劇場写真帖
    • 奈良原一高・ヨーロッパ・静止した時間/ジャパネスク
    • 中平卓馬・来たるべき言葉のために
    • 金坂健二編・アンダーグラウンド・ジェネレイション
    • 渡辺克巳・新宿群盗伝66/73
    • 「10・21とはなにか」を出版する会・10・21とはなにか
    • 石黒健治・広島
    • 一村哲也・COME UP
    • 杉野安・心触風景
    • 木村伊兵衛・木村伊兵衛の眼
    • 高梨豊・都市へ
    • 沢渡朔・Nadia 森の人形館
    • 塩谷定好・塩谷定好名作集
    • 桑原甲子雄・東京昭和十一年
    • 鈴木清・流れの歌
    • 土田ヒロミ・俗神
    • 築地仁・垂直状の、(領域)
    • 牛腸茂雄・SELF AND OTHERS
    • 石内都・APARTMENT
    • 須田一政・風姿花伝
    • 森永純・河―累影
    • 北島敬三・写真特急便「東京」No.1 12
    • 渡辺兼人・既視の街
    • 深瀬昌久・鴉

関連書籍[編集]

  • Bhutan: A Visual Odyssey Across the Last Himalayan Kingdom」ISBN 0974246905 ギネスブック認定の世界一大きい写真集。見開きサイズで5×7フィート(約150×210cm)。重量は約130ポンド(約59kg)。

関連項目[編集]