広島県

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ひろしまけん ウィキデータを編集
広島県
広島県の旗 広島県章
広島県旗 広島県章
日本の旗 日本
地方 中国地方山陽地方
団体コード 34000-6
ISO 3166-2:JP JP-34
面積 8,478.94km2
総人口 2,732,256[編集]
推計人口、2024年2月1日)
人口密度 322人/km2
隣接都道府県 鳥取県の旗 鳥取県
島根県の旗 島根県
岡山県の旗 岡山県
山口県の旗 山口県
愛媛県の旗 愛媛県[注釈 1]
香川県の旗 香川県[注釈 2]
県の木 モミジ
県の花 モミジ
県の鳥 アビ
県の魚
県の歌
カキ広島かき
未制定[2][注釈 3]
広島県庁
知事 湯崎英彦
法人番号 7000020340006 ウィキデータを編集
所在地 730-8511
広島県広島市中区基町10番52号
北緯34度23分47秒 東経132度27分35秒 / 北緯34.3964度 東経132.4597度 / 34.3964; 132.4597座標: 北緯34度23分47秒 東経132度27分35秒 / 北緯34.3964度 東経132.4597度 / 34.3964; 132.4597
地図
県庁舎位置

広島県庁
外部リンク 公式ウェブサイト
広島県の位置

広島県行政区画図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町

ウィキポータル 日本の都道府県/広島県
ウィキプロジェクト

広島県(ひろしまけん)は、日本中国地方に位置する県庁所在地広島市

概要

臨海部を中心に自動車産業製鉄造船などの工業が発展(瀬戸内海工業地域)している。県庁所在地広島市政令指定都市であり中国・四国地方最大の都市である。一方で海・山の豊富な自然にも恵まれ、農業漁業も盛んである。

広島都市圏福山都市圏と県内に二つの都市圏を持つ。大まかに広島市を中心とする県西部を「安芸」、県東部で岡山県と隣接している福山市を中心とする県東部を「備後」と呼び、現在でも方言・文化の点で一部違いを見せる(広島弁備後弁)。ただし、近年の広島県の施策では有する都市機能と生活圏などから広島圏域(県西部)、備後圏域(県東部)、備北圏域(県北部)の3つに分ける場合も多い。

第二次世界大戦において世界で初めて核兵器による攻撃を受けた広島市を抱えることから、国際的に知名度が高い。また安芸の宮島(厳島)原爆ドームの2つのユネスコ世界遺産を有しており[3]、日本国外からの観光客も多い。全国一移民を輩出した「移民県」として知られ特にハワイは広島県出身者が3割、山口県などを含むと約5割が中国地方出身者となり広島方言が全国共通語と類似性の高い方言であったため、広島弁がハワイ日系社会の共通語の基盤となった[4]

地理・地域

地形

瀬戸内海沿岸部に向かって、中国山地と平行に高地から低地へ階段状の地形を形成している点が特徴で、基本的には北(島根・鳥取県側)へ行くほど海抜が高くなる。また、開けた平野部は河川流域と河口付近のみに限られ[5]、海抜そのものは高くないものの山が多数連なる地勢でもある。これは沿岸部でも同様で、海岸のすぐそばまで山が迫っている場所も珍しくない。花崗岩類と花崗岩風化産物であるマサ(真砂)が広域に分布し、表土の下に広がるマサ土の層は最大数十mの厚さに達する[5]。そのため土石流の危険渓流、急傾斜地崩壊の危険箇所も多く指定箇所数は全国一位となっている[5]

  • 河川

広島県内には太田川水系と江の川水系の2大水系の他、瀬戸内沿岸部に東から高梁川芦田川沼田川黒瀬川八幡川小瀬川などがある。太田川流域はほぼ県西部(安芸)に相当し、江の川流域は県北東部(備北)である。県東部(備後)は芦田川、沼田川水系などとなっている。

  • 山野

広島市や福山市など埋め立てによる平野部があるが、山がちの地形であり、内陸部に三次盆地西条盆地などがある。東部には世羅高原神石高原が広がっている。

  • 島嶼部

瀬戸内海には大小併せて約140のを有す。

  • 島嶼部を含め山がちの地形のため、2005年現在の棚田の数では日本で群を抜いた1位である[6]
  • 隣接都道府県: 陸上では東から岡山県 - 鳥取県 - 島根県 - 山口県、海上で愛媛県 - 香川県と接している(但し鳶小島、瓢箪島(ひょうたん島)が愛媛県との県境を跨いでいる)。

広袤(こうぼう)

節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

国土地理院地理情報によると広島県の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは131.62km、南北の長さは118.79kmである。また、国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、広島県の面積は8478.94平方キロメートルである[7]

北端
北緯35度6分20秒 東経132度53分18秒 / 北緯35.10556度 東経132.88833度 / 35.10556; 132.88833 (広島県最北端)
重心
北緯34度36分2秒 東経132度47分6秒 / 北緯34.60056度 東経132.78500度 / 34.60056; 132.78500 (広島県重心)
西端
北緯34度30分5秒 東経132度2分11秒 / 北緯34.50139度 東経132.03639度 / 34.50139; 132.03639 (広島県最西端)
中心点
北緯34度34分12.5秒 東経132度45分13秒 / 北緯34.570139度 東経132.75361度 / 34.570139; 132.75361 (広島県中心点)
東端
北緯34度18分54秒 東経133度28分15秒 / 北緯34.31500度 東経133.47083度 / 34.31500; 133.47083 (広島県最東端)

南端
北緯34度2分5秒 東経132度29分7秒 / 北緯34.03472度 東経132.48528度 / 34.03472; 132.48528 (広島県最南端)

気候

北部は日本海側気候、それ以外の地域は瀬戸内海式気候に分類される。

沿岸部では冬でも晴天日数が多いが北部の一部は豪雪地帯となっている。

北部は緯度の割には冬は低温であり、山間部を中心に降雪量も多い。特に中国山地の山沿いは、北広島町の東八幡原(標高774m)で観測された−28.0°C(1977年(昭和52年)2月19日)を筆頭に、庄原市の高野地区の−26.0°C(1977年(昭和52年)2月19日)など−20°C以下[8]まで下がることもあるほどの厳寒地である。北広島町八幡の592cm、庄原市高野の582cmなど日本海側との脊梁部には降雪量が3mから6m近くに達する豪雪地帯が広がっている。庄原市や三次市などの市街地でも80cm〜120cm程度の降雪量がある。

広島県内各地の平年値(統計期間:1981年 - 2010年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
南部(瀬戸内海島嶼部) 南部(瀬戸内海沿岸部) 中部(瀬戸内海側内陸部)
呉市
呉市蒲刈
呉市豊町
久比
尾道市
生口島
広島 竹原 福山 大竹 府中
世羅
平均
気温
(°C)
最暖月 26.6
(8月)
27.2
(8月)
28.2
(8月)
27.6
(8月)
26.3
(8月)
27.6
(8月)
27.6
(8月)
26.7
(8月)
25.0
(8月)
最寒月 5.4
(1月,2月)
5.3
(1月)
5.2
(1月)
5.8
(1月)
5.5
(1月)
4.3
(1月)
4.9
(1月)
3.4
(1月)
1.3
(1月)
降水量
(mm)
最多月 233.7
(6月)
167.6
(6月)
258.6
(7月)
227.7
(7月)
193.3
(6月)
176.7
(7月)
271.4
(7月)
195.3
(7月)
208.3
(7月)
最少月 32.8
(12月)
33.8
(12月)
41.2
(12月)
35.6
(12月)
33.0
(12月)
31.0
(12月)
41.8
(12月)
36.6
(12月)
43.6
(1月)
平年値
(月単位)
中部(瀬戸内海側内陸部) 北部(中国山地・吉備高原)
三原市
本郷
東広島 安佐北区
三入
廿日市
廿日市津田
神石高原
油木
庄原 三次 庄原市
高野
北広島
大朝
安芸太田
加計
平均
気温
(°C)
最暖月 25.6
(8月)
26.9
(8月)
24.6
(8月)
23.2
(8月)
24.6
(8月)
25.6
(8月)
22.8
(8月)
23.7
(8月)
25.2
(8月)
最寒月 2.1
(1月)
3.5
(1月)
1.2
(1月)
0.0
(1月)
0.8
(1月)
1.7
(1月)
−0.8
(1月)
0.4
(1月)
1.8
(1月)
降水量
(mm)
最多月 236.8
(7月)
291.4
(7月)
317.6
(7月)
230.9
(7月)
249.1
(7月)
259.0
(7月)
303.4
(7月)
285.6
(7月)
303.0
(7月)
最少月 41.4
(12月)
56.7
(12月)
54.5
(12月)
42.9
(1月)
64.3
(1月)
65.2
(1月)
112.3
(11月)
95.3
(11月)
86.7
(11月)
  • 呉市豊町久比については、1971年から2000年までの平年値(2009年2月24日で観測を終了したため)。
  • 呉市呉市蒲刈については、2009年2月25日より観測開始のため、平年値なし。
  • 三原市本郷については、2003年1月1日より観測開始のため、平年値なし。

自然公園

国立公園
瀬戸内海国立公園
国定公園
比婆道後帝釈国定公園西中国山地国定公園
県立自然公園
南原峡県立自然公園、山野峡県立自然公園、三倉岳県立自然公園、竹林寺用倉山県立自然公園、仏通寺御調八幡宮県立自然公園、神之瀬峡県立自然公園

自治体

県下には14市5郡9町が存在する。村は2004年11月5日に消滅した。

かつては県庁によって1つの大都市周辺地域および7つの広域市町村圏の計8つの広域行政圏に区分されていた。ただし、この広域行政圏は実際の都市圏の枠組みとは異なっていた。県内には広島市を中心とする広島都市圏、福山市を中心とする備後都市圏が存在し、それぞれ広域行政圏や県境を越えて広がっている。なお、広域行政圏政策そのものは、2009年(平成21年)3月末に廃止された[9]

以下、かつての広域行政圏ごとに市町村を記載し、人口を付記する(2015年(平成27年)国勢調査人口)。

広島 1,310,256人
広島西 142,771人
呉 252,891人
芸北 54,878人
広島中央 227,325人
尾三 251,157人
福山・府中 514,097人
備北 90,615人

越県合併の模索

岡山県笠岡市(旧茂平村)

1963年(昭和38年)ごろ岡山県笠岡市旧茂平村地区が岡山県より分離、日本鋼管進出で経済発展の進む広島県(福山市)への編入を模索していた[10]。旧茂平村地区は旧来より地理的(地区が隣接し境界に河川などの天然障壁がない)、社会的(多くの住民の親戚などが福山市に居住および福山市出身の住民が多い)に福山市との結び付きが強い地域であった。1963年(昭和38年)岡山県の日生町福浦が強い住民運動により兵庫県赤穂市に合併されたことに刺激を受けた住民が福山市合併協議会を結成し大規模な合併運動を開始(以前より幾度か合併案はあった)。当時広島県議会議員中川弘(のち福山市長に就任)の賛同の下、福山市議会議員数人の賛同も得た。また、城見村内で旧茂平村地区と同じ境遇の旧用之江村地区も福山市との合併に賛同し共同で運動を始めた。その後、合併協議会は有権者9割の署名を集め福山市長、福山市議会に請願書を提出した。[11]

福山市に合併嘆願書が提出されると生活圏を理由に県域が次々と他県に奪われることを危惧した岡山県議会、笠岡市議会からの反対運動が起こった。また翌年(1964年(昭和39年))岡山県の知事に地元出身の加藤武徳が就任すると、知事も合併運動に反対し騒動は終結した。

愛媛県(越智郡上島諸島)

平成の大合併の際、愛媛県越智郡上島諸島弓削町生名村岩城村魚島村が愛媛県より分離し、広島県因島市との合併を模索していた。

  • 愛媛県越智郡の上島諸島は、古来より因島市を中心とした文化圏に含まれている。
  • 各島を結ぶ航路も因島を中心に運行されている。
  • 因島市の日立造船因島工場を中心として多くの島民が因島市に勤務している。

などの理由により、4町村が広島県の因島市との越県合併を検討。4島のうち最も広島県に近い生名村は昭和30年代にも広島県への併合を模索したことがあった[12]。しかし、島だけではなく、大きな漁域を失うことを恐れた越智郡や今治市の漁師が大規模な海上デモ活動を行った。また、愛媛県、越智郡も反対し決行されなかった経緯がある[12]。生名村は、因島までの距離が300mと近い。また、村営の渡船が1日50往復近く運行されており、因島市のベッドタウン的な立場であった。

2000年(平成12年)5月5市町村の間で連携交流協議会を設置するも、両県市町村間での調整が難航した。結局、愛媛県側4町村で上島町を設立、合併案は事実上凍結された。

なお、現在まで上島町は橋やフェリーなどで愛媛県に接続されておらず、車両で四国に上陸するためには一旦広島県側を経由しなければならない状態になっている[注釈 4]

土砂災害危険箇所

国土交通省の平成10年および平成14年の報告では、広島県にはがけ崩れ土石流による土砂災害危険箇所が31,987箇所あり、これは都道府県の中で最多である。2位以下は、島根県(22,296)、山口県(22,248)、兵庫県(20,748)、大分県(19,640)、和歌山県(18,487)、高知県(18,112)、愛知県(17,783)となっている。危険箇所の少ない地域は、沖縄県(1,032)、山形県(3,771)、東京都(3,786)、青森県(4,005)などで全国に525,307箇所ある[13]。上位3県が広島、島根、山口と中国地方西部となっておりこれは山がちな地形であるため住宅地が山の裾野まで迫り、さらには山腹まで宅地開発されていることと、花崗岩が風化したまさ土による地質の脆弱さによるものである[14]

歴史

県名の由来

県名は県庁所在地である広島市に由来する。その広島の由来は、1589年(天正17年)からの毛利輝元による広島城築城の際に、1591年(天正19年)命名されたものである。大江広元(毛利氏の祖)以来、毛利氏は「元」の通字以外、「広」も諱に使用する字の一つとしていた。毛利元就の時代には、完全に臣従したもの(吉川元春、天野元貞、出羽元祐など)には、「元」を一字書出として与えたが、そうでない国人衆(平賀広相、阿曽沼広秀など)には、明白に傘下に組み入れられたと示す「元」の字を避け、「広」の字を与えたとされる。この慣習は毛利輝元にも引き継がれ(吉川広家山内広通益田広兼など)、毛利氏(特に輝元)の与える「広」は重要な意味合いを持った。従って「広島」は、この「広」とこの地の豪族であり、普請奉行であった福島元長の「島」を併せたとする説が有力である。また他に、デルタのため「広い島」からきたという説もある。

原始・古代

旧石器時代から人々が居住していたと考えられ、広島大学東広島市)には約2万7千年前に遡る西ガガラ遺跡がある[注釈 5]倉橋島呉市倉橋町)の鹿島沖からナウマンゾウの化石などが引き上げられている。

甲立古墳や石槌山古墳群などの古墳もあり、飛鳥時代後期には備後国寺町廃寺(三次市)などの寺院が建立された。

中世

謀神と称される戦国時代最高の「知将」であり、中国地方の覇者毛利元就

近世

江戸時代の藩については備後国の福山藩、安芸国の広島藩広島新田藩。また備後の家老浅野家の広島藩の支城三原城が置かれた。

近・現代

明治・大正

昭和

平成

令和

  • 2020年(令和2年) - 広島大学が、衛星画像データなどを使って、土石流で崩壊した土砂の量を、短い時間で推計する方法を開発。これにより、広島県は、「復旧や災害に迅速な対応が可能になる」という[18]

人口

隣接する岡山県同様、瀬戸内海沿岸の都市部(広島都市圏福山都市圏)は人口増加もしくは微減にとどまる一方、県北部(山間部)や沿岸部でも小都市や離島の自治体は減少が激しい傾向がある。

広島県市町村人口増減率分布図(2005年度と2010年度国勢調査から算出)

広島県の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

政治

県政 

県庁の変遷

財政

平成19年度
  • 財政力指数 0.59
    • Iグループ(財政力指数0.5以上、1.0未満)17自治体中9位
平成18年度
  • 財政力指数 0.54
    • Iグループ(財政力指数0.5以上、1.0未満)16自治体中10位
  • 標準財政規模 5309億円
  • 一般会計歳入 9814億円
  • 一般会計歳出 9767億円
  • 経常収支比率 91.5%(都道府県平均92.6%)
  • 実質収支比率 0.5
  • 実質公債費比率 15.6%(都道府県平均14.7)
  • 人口一人当たり地方債現在高 64万2081円(普通会計分のみ。都道府県平均62万2416円)
  • 人口100,000人当たり職員数 1,083.17人(都道府県平均1,173.11人)
    • 平成17年度から平成21年度までの5年間で概ね1割、2,800人程度の削減を目標に人員削減に取り組んでいる
  • 人口一人当たり人件費・物件費等決算額 11万4872円(都道府県平均12万4759円)
    • 人件費抑制・内部管理経費の削減などにより、前年と比較して2,556円ほど削減している 今後も財政健全化の方向でいく
  • ラスパイレス指数 100.2(都道府県平均99.6)
  • 平均職員給与(普通会計分) 給料451万3691円 職員手当 84万9782円 期末・勤勉手当 192万2761円
    • 平均職員給与(年額) 728万6234円

地方債残高

  • 1普通会計分の地方債現在高 1兆8411億円
  • 2上記以外の特別会計分の地方債現在高 2854億円
    • その他に第3セクター等に対する債務保証等に係る債務残高がある(団体数40)

普通会計分と特別会計分の地方債合計 2兆1265億円

平成17年度
  • 財政力指数 0.48
    • IIグループ(財政力指数0.4以上、0.5未満)8自治体中3位
平成16年度
  • 財政力指数 0.46
    • IIグループ(財政力指数0.4以上、0.5未満)10自治体中7位

国政

経済・産業

江戸期にはたたら製鉄による日本有数の鉄の産出地であった。近代には日本陸軍海軍の主要拠点が置かれた広島県は、海軍工廠を始め多くの軍需施設が置かれた。戦後もそれらに携わった技術者・職人らによって技術が継承されモノ作りが盛んである。自動車産業造船、そしてのちに加わった鉄鋼業を中心に、瀬戸内工業地域の中核として発展。1994年(平成6年)までは工業出荷額で、中四国・九州の西日本17県でトップを維持したが、バブル景気の崩壊でこうした重厚長産業は大きく影響を受け、三社の自動車メーカーの工場などを誘致した福岡県に製造品出荷額等で抜かれた[要出典]

しかし2004年(平成16年)ごろの景気の回復、および中国特需でこれらの業種は空前の好景気を記録、2004年(平成16年)の製造業出荷額は、6.3%増の7兆4153億円、製造品出荷額等は5.7%増の計21兆7468億円と、10年ぶりに福岡県を抜き関西以西でトップに返り咲いた[要出典]。また重厚長産業に偏重した反省から、半導体製造のエルピーダメモリ日東電工などIT・デジタル関連機器メーカーを積極的に誘致し対応を図っている。

県東部の備後地方は常石造船に代表される造船業、昭和30年代に立地したJFEスチール西日本製鉄所福山地区を中心とした鉄鋼業、シャープ福山工場などのIC・半導体産業、古くからの地場産業である繊維産業が集積している。

県内に本社を置く主要企業

広島県発祥の主要企業

他府県に拠点を移した企業。

建築業
金融業
製造業
小売業
その他

現在消滅した広島県の主要企業

生活・交通

警察

広島県警察本部の管轄にあり、以下の26警察署が置かれている。

交通

空港

鉄道路線

人口規模の割には私鉄路線がほとんどなく、私鉄路線は路面電車新交通システム第三セクター鉄道のみで、1967年に井笠鉄道が廃線から1999年に井原鉄道が開通まで普通鉄道の私鉄路線が一切存在しなかった[注釈 7]

※ 2009年(平成21年)3月14日のダイヤ改正で寝台特急「はやぶさ」「富士」が廃止され、以降は通常ダイヤにおいて広島県内の在来線では特急・急行の旅客列車は1本も走っていない(2020年4月現在、JRの路線がある46都道府県では岩手県[注釈 8]栃木県[注釈 9]、も該当する)

廃止された鉄道路線

道路

国道
県道
高速道路

医療・福祉

災害拠点病院
保育所

教育

専修学校
特別支援学校
高等学校
中学校
小学校
幼稚園

マスメディア

新聞

地方紙
全国紙

放送

テレビ局・ラジオ局兼営
テレビ局
ラジオ局
コミュニティFM放送局
備考
  • 山がちな広島県の地形を反映して、テレビラジオとも多数の中継局を擁している。広島エフエム放送の中継局数は13局と日本にある都道府県域民間エフエム放送局53社中最多である。このため、5局目民放TV局や2局目民放FM局の新設は電波環境の上で困難をきたしている。
  • 民放AMラジオ局中国放送のみであるが、福山市周辺では近隣の毎日放送朝日放送ラジオラジオ大阪山陽放送や、その中でも瀬戸内海沿岸では西日本放送も、また広島市や大竹市周辺では山口放送や、その中でも瀬戸内海沿岸では四国放送南海放送大分放送RKB毎日放送九州朝日放送も、島根鳥取越境周辺では山陰放送が、それぞれ聴取可能である。夜間になると東京・名古屋などの放送局(ニッポン放送TBSラジオ東海ラジオNHK東京第一同第二など)も聴取できる。ただし、CBCラジオ文化放送についてはそれぞれ朝鮮中央放送(海州局)、KBS第3との混信がありほぼ聴取は不可能である。
  • 地上デジタルテレビジョン放送2006年(平成18年)10月に広島市域沿岸部で放送開始(親局の電波塔は広島市安芸区矢野町絵下山にある広島デジタルテレビジョン放送局(5局共同))。放送開始当初のカバー率は46%と低かったが、その後翌年4月に福山で放送開始し、2007年度中には県内の主要市町村ので放送が開始されている。2009年(平成21年)12月の時点でカバー率は95%となっている。
  • 県西部のごく一部でTXN系列局のTVQ九州放送が直接受信が可能である。
  • 民放FM局は県域局の広島エフエム放送の他、福山市周辺をカバーする中国地方で初めてのコミュニティ放送局として開局したエフエムふくやまの他、広島市、尾道市、廿日市市、東広島市、三原市にコミュニティFM局がある(2018年(平成30年)5月現在)。また、地域によっては大阪・兵庫・岡山・山口・香川・愛媛・大分各地区のFM放送が受信できる。
  • 地上デジタル放送のリモコンキーIDはリモコンキーIDの記事を参照。TBS系の中国放送が3であることとTXN系ならびに独立局がない以外は関東広域圏と同じ(広島テレビ(日本テレビ系)は4、広島ホームテレビ(テレビ朝日系)は5、テレビ新広島(フジテレビ系)が8)。
ケーブルテレビ局

文化・スポーツ

方言

広島県内の方言は中国方言に分類されるが、県の東西で違いがある。

  • 広島弁 - 広島県全体の方言を指すこともあるが、一般には広島市を中心とした旧安芸国にあたる県西部の方言(安芸弁)を指す。山口弁石見弁と同じカテゴリー(西中国方言)に分類される。
  • 備後弁 - 福山市や尾道市を中心とした旧備後国にあたる県東部の方言。福山弁など。岡山弁と同じカテゴリー(東山陽方言)に分類される。

食文化

郷土料理

伝統工芸

経済産業大臣指定伝統的工芸品
伝統工芸品

特産品

音楽楽団

スポーツ

2020年夏季オリンピック誘致関係
当初は広島市長崎市共催での五輪開催を提案するも国際オリンピック委員会が共催不可とする判断から長崎市が招致断念。その後広島市単独で招致を目指したが、ヒロシマ五輪反対派が広島市長に当選したことや東日本大震災後の世相から広島市も招致を断念した。

観光

厳島神社、大鳥居
厳島神社、大鳥居
原爆ドーム
原爆ドーム
西条の酒造施設群
西条の酒造施設群
広島平和記念資料館及び平和記念公園
広島平和記念資料館及び平和記念公園
千光寺下から望む尾道水道
千光寺下から望む尾道水道
アレイからすこじまからの呉港
アレイからすこじまからの呉港
御手洗
御手洗
竹原
竹原
医王寺境内から望む鞆の浦
医王寺境内から望む鞆の浦

県の施設に関しては文頭に「★」を入れている。

文化財建造物

世界遺産
日本の20世紀遺産
日本遺産
  • 尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市(尾道市)
  • 鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜(呉市)
  • "日本最大の海賊"の本拠地:芸予諸島 -よみがえる村上海賊"Murakami KAIZOKU"の記憶-(尾道市)
国宝
  • 厳島神社 - 本社本殿・幣殿・拝殿、本社祓殿、摂社客神社本殿・幣殿・拝殿、摂社客神社祓殿、廻廊(東廻廊)、廻廊(西廻廊)
  • 向上寺(尾道市瀬戸田町) - 三重塔
  • 浄土寺(尾道市) - 多宝塔、本堂
  • 不動院(広島市) - 金堂
  • 明王院(福山市) - 五重塔、本堂
重要伝統的建造物群保存地区

史跡・旧跡

名所

祭事・イベント

広島三大祭り
  • とうかさん(6月第1金曜日から3日間)(広島市・慈善院圓隆寺)
  • 住吉祭(旧暦6月14・15日、広島市・住吉神社
  • 胡子講(11月17日 - 11月20日)(広島市・胡子神社)
広島三大祭り以外

観光スポット・テーマパーク

博物館・美術館など

展示施設

多目的ホール

便宜上1000人以上収容施設を記載している。

対外関係

広島県は1984年(昭和59年)9月17日中華人民共和国四川省と、1997年(平成9年)5月30日にアメリカ合衆国ハワイ州と友好提携を締結し、交流を行っている。また、大韓民国慶尚南道との交流も行われている。

広島県を舞台とした作品

人物

広島県名誉県民

広島県名誉県民の称号は、「社会文化の興隆に卓越した功績があり、県民の誇りとして等しく尊敬を受ける」者へ贈られる[21]

受賞者氏名 職業 選定年月日 備考 出典
三宅一生 ファッションデザイナー 2011年12月1日 文化勲章受章 [22]
平山郁夫 日本画家 2011年12月1日 文化勲章受章 [22]
岡田善雄 生物学者 2011年12月1日 細胞融合の研究、文化勲章受章 [22]
井伏鱒二 小説家 2011年12月1日 文化勲章受章 [22]
圓鍔勝三 彫刻家 2011年12月1日 文化勲章受章 [22]
織田幹雄 陸上選手 2011年12月1日 1928年アムステルダムオリンピックで金メダル獲得 [22]
宮澤喜一 政治家 2011年12月1日 内閣総理大臣 [22]
奥田元宋 日本画家 2011年12月1日 文化勲章受章 [22]
井口洋夫 化学者 2011年12月1日 有機半導体の研究、文化勲章受章 [22]
新藤兼人 映画監督 2012年5月30日 文化勲章受章 [22]
阿川弘之 小説家 2015年8月6日 文化勲章受章 [22]
今井政之 陶芸家 2018年12月17日 文化勲章受章 [22]

広島県県民栄誉賞受賞者

広島県県民栄誉賞は、「輝かしい業績をあげ、広く県民に夢と希望を与え」た者へ贈られる[23]

受賞者氏名 職業 選定年月日 備考 出典
山本浩二 プロ野球選手 1987年1月12日 当時広島東洋カープ所属・「ミスター赤ヘル」 [24]
衣笠祥雄 元プロ野球選手 1987年6月15日 当時広島東洋カープ所属・「鉄人」 [25]
岡本綾子 プロゴルファー 1993年9月14日 1993年日本女子オープンゴルフ選手権競技優勝 [26]
北別府学 元プロ野球選手 1994年11月10日 当時広島東洋カープ所属 [27]
森下洋子 バレリーナ 2000年11月2日 日本最初の国際的プリマバレリーナ [28]
野村謙二郎 元プロ野球選手 2005年7月9日 当時広島東洋カープ所属 [29]
前田智徳 元プロ野球選手 2007年9月12日 当時広島東洋カープ所属 [30]
黒田博樹 元プロ野球選手 2016年9月22日 当時広島東洋カープ所属 [31]
新井貴浩 元プロ野球選手 2016年9月22日 当時広島東洋カープ所属 [32]
金藤理絵 競泳選手 2016年11月20日 2016年リオデジャネイロオリンピックで金メダル獲得 [33]

脚注

注釈

  1. ^ 愛媛県とは瀬戸内海瓢箪島内に陸上の県境を有する[1]
  2. ^ 香川県とは海上で隣接。
  3. ^ なおスポーツ関係に用途が限定されるが、1994年に県スポーツ賛歌(体育歌)として「虹の輝き」が制作されている。
  4. ^ 快速船は愛媛県今治市への寄港がある。
  5. ^ 住居跡5棟が確認されている。それは径4m未満で柱10本程度の簡単な住居である。炉跡や熱を受けた礫群が残っていることから、火を使う調理を行っていたことが分かる。
  6. ^ 豊前中津藩の飛地。
  7. ^ ただし、広島電鉄宮島線は鉄道事業法が適用される鉄道路線である。
  8. ^ ただし、秋田新幹線(「こまち」)は盛岡駅から秋田駅までの間は在来線(田沢湖線奥羽本線)を走行するため、営業上は在来線特急の扱いとなっている。
  9. ^ ただし、JR車両による特急「日光」「きぬがわ」は存在する(JR新宿駅から乗り入れるものの栃木県内は東武鉄道の線路のみを走行)。
  10. ^ このうち、可部 - あき亀山(旧河戸駅の300m先)間が電化された上で2017年3月4日に復活。

出典

  1. ^ 広島県の文化財 - 瓢箪島”. 広島県教育委員会. 2022年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月28日閲覧。
  2. ^ 幻の歌を追え!”. 【あなたの声 聞かせてください】. NHK広島放送局 (2013年2月1日). 2013年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月閲覧。
  3. ^ 2つの世界遺産”. 広島県観光連盟. 2020年8月23日閲覧。
  4. ^ 中東靖恵「海を渡った広島方言 : 海外日系移民社会における方言の継承と変容」『岡山大学文学部紀要』第72号、岡山大学文学部、2019年12月20日、13-28頁、doi:10.18926/okadai-bun-kiyou/58252 
  5. ^ a b c 広島県の地形・地盤ジオテック 2020年8月23日閲覧
  6. ^ 2005年農林業センサス 第7巻 農山村地域調査及び農村集落調査報告書 地域資源の保全 - 農地(農地、棚田、谷地田) (Microsoft Excelの.xls) 農林水産省. 2017年1月5日閲覧.
  7. ^ 全国都道府県市区町村別面積調 国土地理院 2013年11月28日閲覧
  8. ^ 観測所気象年報(77年)、広島県気象月報(77年2月)
  9. ^ 広域行政圏施策の見直しに係る通知 (PDF) 総務省. 2017年1月5日閲覧.
  10. ^ 中野正雄、吉備鶴雄、佐々木幸人、伊香厚雄「瀬戸内臨海工業の発展が農業経営におよぼす影響に関する研究(第2報) 広島県備後臨海工業地帯を中心として」『中国農業試験場報告 C 農業経営部』第10巻、1963年12月、109頁、CRID 1050282813694900864ISSN 03856550 
  11. ^ 「住民九割の署名集め福山合併を陳情」『朝日新聞岡山版』、1963年9月4日。
  12. ^ a b 『角川 日本地名大辞典 38愛媛県』角川書店、1981年10月8日。  p.860
  13. ^ 国土交通省・砂防情報室 「都道府県別土砂災害危険箇所」
  14. ^ “土砂災害の恐れ最多3県は中国地方 広島・島根・山口”. 朝日新聞. (2012年11月3日). オリジナルの2012年11月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121104094923/http://www.asahi.com/special/bousai/OSK201211030010.html 
  15. ^ 広島県 「県のプロフィール・歴史」
  16. ^ “G7外相会合:「広島宣言」まとめ 共同声明発表し閉幕”. 毎日新聞. (2016年4月11日). オリジナルの2016年4月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160414104642/https://mainichi.jp/articles/20160411/k00/00e/030/148000c 
  17. ^ “JAXA、「だいち2号」で豪雨被害の観測を実施”. 航空新聞. (2018年7月12日). オリジナルの2024年3月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240328010650/https://www.jwing.net/news/3119 
  18. ^ “広島)土砂量の推計、短時間で簡単に 広島大准教授開発”. 朝日新聞. (2020年1月4日). オリジナルの2020年1月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200104195926/https://www.asahi.com/amp/articles/ASMDR5X29MDRPITB01B.html 
  19. ^ 伝統的工芸品”. 広島県. 2022年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月28日閲覧。
  20. ^ 福山の誇る伝統産業(松永下駄)”. 福山商工会議所. 2023年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月28日閲覧。
  21. ^ 広島県名誉県民 - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  22. ^ a b c d e f g h i j k l 広島県名誉県民受賞者 - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  23. ^ 県民栄誉賞受賞者 - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  24. ^ 山本 浩二(やまもと・こうじ) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  25. ^ 衣笠 祥雄(きぬがさ・さちお) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  26. ^ 岡本 綾子(おかもと・あやこ) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  27. ^ 北別府 学(きたべっぷ・まなぶ) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  28. ^ 森下 洋子(もりした・ようこ) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  29. ^ 野村 謙二郎(のむら・けんじろう) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  30. ^ 前田 智徳(まえだ・とものり) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  31. ^ 黒田 博樹(くろだ・ひろき) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  32. ^ 新井 貴浩(あらい・たかひろ) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。
  33. ^ 金藤 理絵(かねとう・りえ) - 顕彰 - 広島県、2019年7月28日閲覧。

関連項目

外部リンク

行政
観光
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広島藩
岡山県の一部
(旧小田県のうち備後国
行政区の変遷
1871年 -
次代
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